
(Photo by uplink)
2013年10月1日。
“あるアーティスト”がニューヨークで展示をスタートさせた。
告知もなく突然始まったその展示は、毎日1点ニューヨーク各地の路上に作品を残し、場所を明かさず公式サイトに投稿。
人々はその作品を求めてニューヨーク中を駆け回るという、ストリートとインターネット上の両方で勃発した「宝探し競争」だった。

(Photo by youtube)
その“あるアーティスト”とは、バンクシー/(BANKSY)。
世界各地でゲリラ的に作品を描くことで知られている正体不明のストリートアーティスト。
彼が壁や路上に「違法」に描いたグラフィティは世界的な注目を浴び、驚くほどの高値を呼んでいる。
ブラッド・ピットやアンジェリーナ・ジョリー、キアヌ・リーブス、ジュード・ロウ、クリスティーナ・アギレラなど、セレブにも彼のファンは多い。
自らの作品をMoMA、メトロポリタン美術館、大英博物館などに無断で展示したり、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区の分離壁に、イスラエル軍から威嚇砲弾されながら描いたり、仏カレーの難民キャンプにシリア移民の父を持つ故スティーブ・ジョブズを描くなど、つねに作品で問題提起をしており、議論を巻き起こしている。

(Photo by youtube)
Twitter、Instagram、FacebookにVine。
そんなSNSを駆使してバンクシーの作品を捜索する人々、作品を上書きするグラフィティ・ライター、アクリル板で保護するビルオーナー、即作品を売買するギャラリーオーナー。
“バンクシー・ハント”は加熱するばかり。
「都市や屋外や公共の場所こそ、アートが存在するべき場所なんだ。アートは市民とともにあるべきだ」
そう語る彼が、ニューヨークをハックした1か月を追ったドキュメンタリー映画が明日から公開される。
明日の3月26日(土)からは渋谷シネクイント、4月2日(土)からは渋谷アップリンクで上映開始だ。
日本では、あまり身近な存在ではない「ストリートアート」。
多くの人が、店舗のシャッターや高架下の“ただの落書き”としか認識してないだろう。
しかし、この映画を観て、「ニューヨーク中が熱狂した理由」や、「バンクシーの思想・作品」を知れば、あなたもストリートアートの虜になることは間違いない。
監督:クリス・モーカーベル(2014年/アメリカ/81分/カラー/16:9/DCP)
提供:パルコ
配給:アップリンク、パルコ
ーBe inspired!

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