多様な体型の美を発信する「ボディダイバーシティ」や自分の体への愛をオープンに表現する「ボディポジティビティ」ー SNSのパワーをかりて、それまでマスメディアでは取り上げられることの少なかった多様な美を祝福するムーブメントが欧米で始まってから久しい。
オーストラリア、メルボルンを拠点とするビジュアルアーティスト、Frances Cannon(フランシス・キャノン)もそんなムーブメントの中の重要な一人。Instagramで1万6千人近くのフォロワーを有する彼女は自身のメンタルヘルスや体型への葛藤を素直にさらけ出し、一貫して「自分を愛することの大切さ」をイラストや写真を使って人々に届けている。
今回Be inspired!は社会派のアーティストを紹介する『GOOD ART GALLERY』でフランシスにメールインタビュー。彼女の数多いメッセージの中でも、「女の子が助け合う精神」について話を聞いた。

ーまず、少し自己紹介をお願いします。
フランシス・キャノンです。オーストラリアのメルボルンを拠点にビジュアルアーティストとして活動しています。
ー普段はどんなことを作品のテーマにしているの?
自分の経験と自分の体についての作品が多いかな!女性として自分が経験すること、これまでの記憶、そして自分の体。
ーフランシスの作品にたびたび出てくる「女の子が助け合う」っていうコンセプトが素敵。「女の子が助け合う」ことがどうして重要なんだと思う?
社会は女性がお互いを比べ合っちゃうような仕組みになっている。でも想像してみて。もし比べ合う代わりに力を合わせたらすごいパワーになると思うの!



ーどうして世の中は女性同士が比べ合うような仕組みになっちゃってるんだろう?
マスメディアが、幸せになるためには「こういうふうな見た目じゃなきゃいけない」「こういうふうに振る舞わなきゃいけない」って決めつけているからだと思うけど、単純にそんなのウソ!
ー「比べ合う精神」から女性が解放されるためにはどうしたらいいと思う?
自分が欲しいと思うものを素直に追っかけて!自分を信じて!自分が欲しい人生を手に入れるためにがむしゃらに行動して。誰にも「あなたにはできないよ」なんて言わせちゃダメ。あなたにはできるから!
ー自信を失っちゃったとき、どうしたら自分を愛することができるかな?
それは毎日「自分を愛する」と意識的に“決断する”こと。「今日は、自分に愛とリスペクトを持って向き合う」って自分に伝えるのもいい第一歩かな。

フランシスの優しいイラストと愛にあふれた言葉に勇気付けられた女性は多いはず。まっすぐで素朴なメッセージだけど、だからこそ心に響くものがある。次に自分を誰かと比べて嫌な気持ちになったときは、彼女の言葉を思い出してみると少し違った見方ができるかもしれない。
▶︎これまでのGOOD ART GALLERY
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・#11 そのペニスは生きている?死んでいる?「見た目主義」な社会の体に対するイメージをひっくり返すアーティスト
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All photos and illustrations via Frances Cannon
Text by Noemi Minami
ーBe inspired!

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