白衣に軍服、宇宙服。これが私たちの「女性らしい格好」#DressLikeAWoman|「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会 #012

Text: NEUT編集部

Cover photography: ThisIsEngineering

2017.2.13

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あなたが「女性らしい格好」と聞いて思い浮かぶのはどんな服装だろう。ヒラヒラのスカート?タイトなワンピース?もしかしたらセクシーなビキニなんて想像した人もいる?しかし何故それが「女性らしい格好」なのだろうか。実際に世の中の様々なシーンで活躍する女性たちはそんな格好をしていなければ女性として「ダメ」なのだろうか。

今回のハッシュタグ・アクティビズムはこれまでBe inspired!で何度か紹介してきた女性たちによる「対トランプ」運動について。ハッシュタグ・アクティビズムとは、SNS上で「#」をつけて自分の意見を主張したり議論を呼びかけたりするムーブメント。

10杯目の本連載でご紹介した”Women’s March”では新たに大統領就任からの100日間を10日ずつに分け10個のアクションを実行する「10 actions for the first 100 days」というプロジェクトが進行中であり、今後ますます世の女性たちの結束力が強くなっていくだろう。しかしそんな中、トランプ氏のある発言が取り上げられたおかげで世界中が「女性の素晴らしさ」を再認識することとなったのだ。

トランプ氏は大統領になる以前から部下の服装には口うるさく、彼の周りで働くスタッフは男女問わず彼が思う「ふさわしい格好」が要求された。それは大統領になった現在も続き、ホワイトハウスでは「女性スタッフは常に”Dress like a woman (女性らしい格好)”が求められている」という彼の元で働いていた人物の証言をニュースメディア、Axiosが伝えた。さらに、同メディアによると彼のオフィスで働いていたある女性は「トランプ氏に良い印象を与えるための服装をしなければいけないことにプレッシャーを感じていた」とも話している。このニュースが世の女性の心に潜む爆弾に火をつけ、世界中で瞬く間に広がったのが「#DressLikeAWoman」。

「これが私の#DressLikeAWoman」と投稿されるのは、決してフリフリのスカートやセクシーなワンピースなどのトランプ氏や社会に定義される「理想とする女性らしい姿」ではなく、研究室で白衣を身にまとう科学者、ビシッとした制服にたくさんの勲章をつけた警察官や、宇宙飛行士など世界中のさまざまなフィールドで活躍する「現実世界の女性らしい姿」である。

また、男女問わず自分が思う「女性らしい姿」が写る画像をこのタグと共に投稿する人たちも増え、そこには日本中に勇気と感動をくれた女子サッカーの澤穂希選手やレスリングの吉田沙保里選手など日本を代表する「女性」たちの輝かしい姿も並んでいる。

トランプ氏の発言に対してのカウンターとして広まったこのムーブメントだが、様々なフィールドで活躍する女性たちの誇らしげな姿は同性の共感を生み、多くの女性たちが自信と強さを取り戻すきっかけとなったのは間違いない。この#DressLikeAWomanのタグ付けされた写真の中の女性たちを見ると「女性だからできない」なんてことはどこにもないようにすら感じてしまう。「女性だからできない」ではなく、「女性にもできる、女性だからできる」を追求していくことは男女間の尊敬の形を再構築し、社会的な問題だけでなく、身近な人間関係をもより良いものへと発展させることにつながるのではないだろうか。次回のハッシュタグ・アクティビズムもお楽しみに!

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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