ニューヨークに突如出現。女性リーダーが少ない世の中を変える「恐れを知らない少女」の意義 #SheMakesADifference|丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会 #019

Text: NEUT編集部

Cover photography: Angélica Chambe

2017.4.1

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世の中には、女性が突破できていない“ガラスの天井”がある。そんな天井を壊す女の子がニューヨークのウォール街に現れた。

「ガラスの天井(glass ceiling)」という表現を聞いたことがあるだろうか?これは、女性が組織内での昇進を目指したときに打ち当たる、目に見えない障壁ことだ。最近では性別だけではなく、人種やセクシュアリティ、年齢や宗教的にマイノリティの人々に対しても使われている。

女性の昇進をめぐる障壁は世界で未だに取り除かれていない。2015年にはアメリカの証券取引所に上場する代表的な500企業のうち、12%が女性をCEOとしていたが、2016年には4.2%にまで下がった。また、日本に関しても2015年の時点で全国にある企業のうち7.5%が女性の社長によって運営されているに過ぎない。(参照元:The Independent, 帝国データバンク

それから、昇進だけではなく賃金面で男性との差があることが同じく問題だ。2015年、アメリカでフルタイムで働く女性は、平均して男性の80%の賃金しかもらえていない。日本の場合は、2016年で男性の73%程度だ。だが、これでも賃金格差は縮小しているのだという。(参照元:AAUM, 朝日新聞デジタル

このような格差の消えない状況のなかで、話題になっている「少女像」がニューヨークのウォール街に存在する。その名も「恐れを知らない少女(The Fearless Girl)」。人々は彼女と写真を撮り、#SheMakesADifference(彼女が違いを生む)というハッシュタグとともにSNSに投稿しているようだ。

▶︎ハッシュタグ・アクティビズムについてはこちら

この少女像を制作したのは、彫刻家のクリスティン・ビスバル。「女性の取締役を増やしたい」という願いから、パブリック・アートのプロジェクトとして、資産運用を行なう企業のステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズと共同で「世界女性デー(International Women’s Day)に合わせてウォール街に設置された。これは4月2日までの期間限定で設置される予定だったが、「永久的に残して欲しい」という多くの声により、少なくとも2018年の2月までは同じ場所で見ることができる。(参照元:CNN

この少女像にどんな期待ができるだろうか。ウォール街という金融の中心地に「目に見える」恐れを知らない少女の姿があることで、女性の昇進が可能なものだと人々に教えられるかもしれない。

少女像を実際に見に行ってみると、向かいに「水牛の銅像」が置かれており、その水牛を前にしても恐れを知らない彼女に勇気づけられるであろう。

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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