
(Photo by Youtube)
恋人や家族とレストランに行き、料理がテーブルに並んだ時、ナイフやフォーク、箸よりも先に「スマホ」を手に持つ人は多いのではないか。
その理由は、言わずもがなだが、食事の写真を撮影してSNSに投稿するためだ。
最近では、インスタグラムに「ストーリー機能」が登場し、加工した動画や写真をより気軽に共有可能になり、フォロワー同士で楽しむことが可能なツールとなった。
そんな食事の写真を投稿せずにはいられない現代人。
しかし、スマホなんて存在しない500年前の貴族の食卓でも同じことが起こっていた?
※動画が見られない方はこちら
大手家具メーカーのIKEAは、食卓の危機をユーモラスなCMにして伝えた。
登場するのは中世ヨーロッパのとある家族。
みんなで食卓を囲み、夕飯を食べようとしている場面は現代人と何ら変わらない。
お腹を空かせた子どもたちが食事に手をつけようとすると、父親が「ちょっと待て」と制止し、ベルを鳴らした。
そこに現れたのは、お抱えの画家だ。
画家は“今日の夕飯”をキャンバスに描き、素晴らしい作品を完成させた。
しかし、父親の策略はそこで終わらない。
馬車を走らせ、民衆や貴族の家を一軒ずつ訪ねて人々に夕飯の絵を見せる。
父親が欲しかったのは人々の「いいね」だった。
貴族たちの拍手喝采「いいね」の嵐を貰ったところで、ようやくシーンは食卓にうつる。
子どもたちはすっかり眠くなってしまったが、ようやく家族の食事が始まったのだ。
IKEAがこのCMで伝えたかったことは「これは食事、競争じゃない」ということ。
映像の最後には現代人の男性が食卓にスマホをかざしているシーンが登場する。
他者から「いいね」を貰うことばかりに夢中になって、本来の食事の楽しみ方を忘れていませんか?というメッセージ。
あなたも心当たりがあるのではないだろうか?

(Photo by flickr)
北京では、「食事中にスマホを触らなかったら飲食代半額」という太っ腹なキャンペーンを行うレストランが登場した。
食事が始まる前に、客はテーブルの上の箱にスマホを入れなければならない。
「触りません」という意思表示だ。
このキャンペーンを行ったことにより、店の回転率は倍以上にアップ!それだけでなく、売り上げも上昇し、店側は損をするどころか利益に繋げることに成功したのである。
このキャンペーンは所得の少ない若い客の人気を呼んだ。
常にスマホを触っている若い世代が、「食事の在り方」を考える貴重な機会になったようである。

(Photo by flickr)
日本でも食事とスマホはセットになりつつある。
スプーン、フォークに並ぶ食事のマストアイテムと化していると言っても過言ではない。
「スマホのない食事なんて考えられない!」と言う人もいるほどだ。
食事の写真を撮り、SNSに投稿して「いいね」を集める。
楽しく・美味しく食べることよりも、食事を自分のステータスとして利用することに必死だ。
せっかくの美味しい料理も、写真を撮って投稿している間に冷めてしまうだろう。
そして何より、同席した人が食事を楽しみたいと思う気持ちを害してしまうに違いない。

(Photo by flickr)
手と手を合わせて行う「いただきます」の挨拶は、食卓の命を「いただく」ことに対する感謝の表明である。
しかし、スマホを片手に持っていたのでは、命に感謝することなどままならないはず。
現在、Wi-Fiや電源が完備され、スマホやiPadを使う環境が完備の飲食店が増えている。
非常に便利ではあるが、本来の食事の「美味しさ」や「楽しさ」「ありがたみ」を忘れてしまうことに対し、危機意識を持つべきではないだろうか。
via. AdGang, FOCUS-ASIA, フレッシャーズ
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